「ほら、こんなにいっぱい倒せマカ サプリアントシアニンたのよ」
ステラは両手いっぱいに魔導石を抱えて笑う。
(うん……?)
その明らかに多い量にミモザは首をひねった。
「すごいね、えーと、40個くらい?」
「あら、そんなものじゃないわよ、そうねぇ、さっクロムの効能き数えた時は72個あったわ」
「え?」
「ふふ、驚いた?すごいでしょ、2人で頑張ったのよ」
「ふ、2人で、」
「そうよ」
ミモザは強張った顔でなんとか笑みを作り、「これ、昨日の分とかも混ざってるのかな」と問いかけた。
「いいえ?昨日の分はこっち、これはね、今日の分よ」
「……っ!!」
ひゅっと息を呑亜鉛 の サプリむ。ことの重大さがわからないのだろうか。
思わずアベルを見ると、彼は気まずそうに目を逸らした。
この国にはルールがある。野良精霊が絶滅しないように、一日に1人が狩れる野良精霊の数は20匹まで。
つまり2人で狩れる数は合わせて40匹。
それを遥かに超えた数の魔導石。
(違法行為だ)
「え、えっと、お姉ちゃん、1人20匹までだよ」
ミモザは震える声で訴える。
「そんなに野良精霊を狩るなんて、そんな酷い……」
そこまで言いかけてミモザははっとした。このシーンをミモザは知っている。
これは、ミモザの妨害イベントだった。
ゲームの中のミモザは嫌がらせ亜鉛 サプリ おすすめを繰り返す。ある時は塔に入るのを妨害したり、ある時は『いちゃもんをつけて魔導石を奪い去る』。
ミモザの中で、それらの認識が180度ひっくり返る。
(嫌がらせじゃない)
ミモザはステラを諭していたのだ。法律違反はいけないと。
(いやいやいや、ちょっと待て)
このゲームでは一回の戦闘で4~5匹の野良精霊とエンカウントする仕様である。つまり4回ほど戦闘を行えば20個に到達してしまう。アベルの分を含めても8回の戦闘で上限だ。つまり簡単に20匹という上限は超えられてしまう。そのうえプレイヤーはレベルを上げるために野良精霊との戦闘をわざと回り道をしたり練り歩いたりして何回もこなす。
そしてゲームの中ではこの野良精霊を狩る数の制限の話など1ミリも出てこない。
だからミモザの訴えがいちゃもんにしかdha聞こえなかったのだ。
(ということは、もしかすると他の嫌がらせも何かしらの意味があったのかも知れない)
今はまだわからないなんらかの理由で、ミモザは姉の違法行為を止めようとしたのだとしたら。
そこでミモザはもう一つ思い出す。ゲームのミモザは序盤は狂化していなかったということを。今のミモザがすでに狂化してしまっているのは前世の記憶を思い出したからだ。
(ゲームのミモザはまだ、お姉ちゃんのことを嫌っていなかった……?)
何せ姉から体を張って魔導石を奪うのだ。それは犯罪行為の隠蔽に他ならない。
思い返してみれば記憶を思い出す前、ミモザはステラにいじめの相談をしていたのだ。その時の心境はもはや思い出せないが、それはステラを信頼してのことだったに違いない。
(どうしよう)
冷たい汗が頬を伝う。チロも所在なさげに「チー」と鳴いた。
ゲームなら本来、ここは魔導石を取り上げる場面だ。しかし破滅を恐れるミモザとしてはここはサプリメント マカ何もせずに放っておくのが正しい。
(でも……)
そうしたらステラは咎められるだろう。野良精霊の狩猟制限を破るのはそれなりの罪だ。具体的には牢屋に入れられる可能性もあるし、初犯ではさすがにないだろうが繰り返せば精霊騎士となる資格も剥奪されるかも知れない。
(わからない、わからないよ、『ミモザ』)
語りかける。ゲームのミモザはステラを助けようとしたのだ。
忌々しいステラ、妬ましいステラ。
(どうして助けようとした?)
今決めなければならない。ここで魔導石を奪わなくてはステラはきっとなんの疑いもなく魔導石を売ろうとして捕まってしまう可能性が高い。
ミモザの頭の中をぐるぐると益体のない思考が駆け巡った。
「ああ、あの法律?」
ステラの声にはっと顔を上げる。ステラは涼しい顔で微笑んでいた。
「そ、そうだよ。知ってるでしょ」
ほっと息を吐く。話し合いで解決できそうだと思って一歩前に踏み出すと「でも、野良精霊なんて少ないほうがいいじゃない」と彼女はその気持ちを裏切るように言い放った。
「……え?」
「野良精霊がいっぱいいるとみんな困っアントシアニンちゃうわ。ねぇミモザ、法律は大事だけど、それだけじゃなくてその意味をきちんと考えるべきだと思うの。きっと無茶して傷つく人を減らすために制限があるのよ。だから、わたしは強いから大丈夫」
彼女は花のように美しく笑う。ミモザの喉はからからに乾いて呼吸が苦しくなる。
「なに、言って、」
「わたしは20匹以上狩っても大丈夫よ。怪我も全然していないもの。ああ、でもミモザは大変だと思うから真似しちゃダメよ」
息が苦しい。心理的なストレスで呼吸が浅くなっているのだとミモザは思い、意識して深く息を吐いた。そして吸う。
「お姉ちゃん、違うよ。制限があるのはね」
そこまで言いかけて言い淀む。野良精霊の絶滅を防ぐためだ。エネルギーの補填のために、国と教会はある程度の野良精霊の繁殖を推奨している。しかしそれは公式見解ではなくただの暗黙の了解だ。みんな薄々察してはいるが、根拠となるものは何もない話だった。人に被害があるかも知れないにも関わらず、野良精霊を増やしていいなどと、国も教会も立場上おおっぴらに言えはしない。
「なぁに?ミモザ」
「の、野良精霊は絶滅しちゃいけないんだよ。魔導石が枯渇したらみんなが生活に困っちゃうでしょ」
「何を馬鹿なことを言ってるの、ミモザ」
鈴の音を転がすような軽やかな声で姉はころころと笑う。
「そdha epa dhaんなこと誰も言ってないわよ。話を作っちゃだーめ。だったらなんで教会は守護精霊を野に放つことを禁止しているの?野良精霊が増えると困るからでしょ?」
「それは、」
「ミモザ、羨ましいんでしょ」
ステラはにこにこと続ける。
「自分がたくさん狩れないから、お姉ちゃんにもやめて欲しいんでしょ。だめよ、人の足を引っ張るような真似をしちゃ」
ひゅっと息を飲む。話が通じない。元々天然で話が意図した形で伝わらないことはあったが、今回の件は天然だから仕方がないで済ませられる問題じゃない。
「お姉ちゃん、法律違反はダメだよ。お巡りさんに捕まっちゃうよ」
「大丈夫よ。話せばわかってくれるわ」
ミモザは首を横に振る。何度も、何度も。
その仕草がゲームのミモザが死ぬ直前にしていた動作と重なって、ミモザは動きを止めた。
目をつむる。息を吐く。
「チチッ」
「そうだね、チロ」
ミモザは同意した。
チロは、もうダメだ、見捨てよう、と言った。
覚悟を決めて、ミモザは姉を睨む。ゲームのミモザは優しかった。体を張って姉を止めようとしていた。けれどその結果がすべてを奪われて死ぬだけなのだと今のミモザは知っている。
そして申し訳ないが、今のミモザは姉のために濡れ衣をかぶるだなんてごめんだった。
「お姉ちゃん。僕は忠告したよ」
「ミモザ?」
「お姉ちゃん、僕は貴方の」
訝しげな表情を浮かべる姉の顔を見つめて、ミモザは宣告した。
「敵だ」
。ゴーヤゴーヤ チャンプルーdha epa dhaゴーヤ
それは修行アントシアニンの効果
それは修亜鉛 の サプリ行後のお茶の時間が常習化し、ミモザがレオンハルdha epaトのことを愛称で呼ぶことが許されるようになった頃に起こった。
「あ、」
「どうした?」
問いかけるレオンハルトにミモザは困った顔をする。
「ランチボックスを忘れてきました」
時刻亜鉛はちょうどお昼時である。昼食の時間をまたぐことがあらかじめわかっていたため用意していたのに、その肝心のランチボックスを丸ごと家に置いてきてしまったのだ。
「仕方がないな。今日は適当にどこかで買うか、外食でもするか」
頭を掻きながらレオンハルトは提案する。以前の彼ならここは「なら帰るか」となりそうな流れだが、習慣を変えたくない性質なのか、それともミモザとのお茶会もとい食事サプリメント マカ会にそれなりに意味を見出しているのか判断に悩むところだ。
「いいですよ、すぐに取ってきます。せっかく作ったのにもったいないですし、それに……」
「それに?」
ミモザは気まずそうに目をそらした。
「この村、田舎なので外食する店ないです」
悲しい事実だった。しかしレオンハルトは気に留めた風もなく「王都に行けばいいだろう」などと軽く言う。
「いや、遠いじゃないですか」
「レーヴェに乗っていけば1時間てところだな」
「え?」
思わず驚いてレーヴェを見る。彼は自慢げにdha epa胸をそらし、翼を広げてみせた。
「近くないですか?確か半日ほどかかると思っていたのですが」
「それは街道を通った場合だな」
「……そんなに差がでるんですか?」
「まずこの村から主要な街道に出るまでに10時間ほどかかる」
「………」
「そこから街道を4時間と言ったところか」
「なんでそんなに街道まで遠いんですか」
「この村に何も特産品も需要もないからだな」
そのレオンハルトの返答にミモザはうっ、と言葉に詰まる。
「世知辛い話ですね」
結局それしか言葉を絞り出せなかった。
「まぁ、街道一本通すのに莫大な資金と人手がいるからな。必要のない村を通すより王都に有益な場所を経由するように道を作るのは当然だろう」
「世知辛い話でポリ ペプチドすねぇ」
そして無情だ。
どこの世界でも需要の少ない田舎は冷遇されがちらしい。
「まぁ、でも取ってきますよ。僕の家まで1時間かからないので」
立ち上がりかけたレオンハルトを制してミモザは「すぐ戻るので待っていてください」とお願いした。
母や姉とレオンハルトが鉢合わせると厄介だからである。
*
「はぁっはぁっはぁっ」
ミモザは息を切らして走っていた。手には先ほど家から持ってきたランチボックスを抱えている。そのせいでいつもよりも走る速度は落ちていた。
「おい、待てよ!ミモザ!!」
背後から石が飛んできてミモザの頭に当たる。大した大きさではないが、勢いがあり普通に痛い。
バタバタと4人分の足音がずっと背後をついてきている。
「てめぇ!ふざけんなよ!逃げるな!!」
いきりたって怒鳴っているのは当然、アベルであった。
家にランチボックスをdha取りに行くところまでは良かった。母はまだ帰っていないのかミモザが用意した母親の分のサンドイッチはまだ冷蔵庫の中に残されていた。ミモザはその隣に置かれたランチボックスを持って外へと出た。
そして出会ってしまったのである。
下校途中のアベルとその取り巻き3人に。
(迂闊だった)
ミモザは不登校になってから徹底的に姉やアベル達と生活サイクルを変えて生活している。
学校の授業が始まる時間に起き出し、授業中に外出を済まし、下校以降は家の外には出ない。
すべてはこの狭い村でアベル達にうっかり鉢合わせないためである。
しかし失念していたのだ。
もうすぐ秋休みだったということを。
秋は実りの季節である。そしてこのような田舎の村では子どもも立派な戦力だ。そのため小麦や稲を植える時期と収穫の時期は学校は長期休みに入る。手伝いをするためだ。そして秋休みに入る前日は午前授業となる。
今日がその午前授業の日だった。
そしてミモザは追いかけられる羽目になったのだ。
。亜鉛 サプリアントシアニンの効果dha
2人でトdha epa
2人でトボトボと畑に囲まれた道を歩く。まぁ、dha epaトボトボしているのはミモザだけでレオンハルトは相変わらずの堂々たる足取りだ。マカ サプリ
ミモザはちらり、と無言で隣を歩く師を見上げた。
「あのぅ、もしかしてなんですが」
「うん?」
ミモザの言葉を聞くように、レオンハルトは向き合う形で足を止めた。ミモザも立ち止まる。
「アベルのことマカ サプリ、嫌いですか?」
その疑問に彼はにっと犬歯をみせて意地悪く笑う。それはイタズラが見つかった子供のような笑みだった。
「わかるか?」
「えっと、まぁ、そうかなって」
「嫌いだよ、あんな奴」
そう吐き捨てるように言った後、ふと思い直したように彼は「ああ」と吐息を漏らした。
「しかしそんなにわかりやすかったか、気をつけないといけないな」
「いえ、そこまゴーヤであからさまではありませんでしたので。でもまぁ、楽しそうだなぁと」
「ふっふ、いやすまない。君にとっては災難だったとは思うのだが……」
そこでどうにも堪えきれないというようにレオンハルトは笑みをこぼす。それを隠すように手で口元を覆った。
「嫌いな奴を正論で追い詰めるというのは愉快でつい、な。バレないように自重しなくては」
「……あなたにとって幸いであったなら僕も嫌な目にあったかいがあります」
「ここは不謹慎だと責める場面じゃないか?」
不思議そうに首を傾げdha epaるレオンハルトにつられるように、ミモザも「うーん」と首を傾げた。
2人は鏡写しのように向き合って同じ方向へ首を傾げる。
「僕1人だったら嫌な目にあったっていうだけの話でマイナスで終わっちゃうんですが、あなたが喜んでくださるなら補填されてプラスの出来事になるじゃないですか。意味もなく嫌な目にあったわけじゃないと思えるので」
「ネガティブなのかポジティブなのかわからない理屈だな」
まぁ、君らしいか、とレオンハルトは微笑む。
「まぁ、君がそう言ってくれると俺も遠慮なく面白がれるというものだ」
「悪い人ですね」
「言っただろう」
首を傾げるのをやめてレオンハルトは笑った。
「俺は不公平な人間なんだ」
それは悪党にふさわしい凄みのある笑みだ。
「贔屓するべきは僕じゃなく家族なんじクロムゃないでしょうか?」
しかしミモザは首を傾げたままだ。ミモザのその疑問に、レオンハルトは笑みを深めた。
「ふふふ、不思議か」
「二人は仲が良いのだと思ってました」
「まさか。あの能天気で恵まれた弟が疎ましくてたまらないさ。格好悪いから言わないだけだ」
そうだなぁ、とレオンハルトは周囲を見渡す。辺りに人影はなく、あるのは畑と用水路だけだ。
「食べ損ねた昼食でもどこかでとるか」
「よろしいのですか?誰かに見られたら……」
ミモザとレオンハルトがぐるだとバレてしまうのではないか、そんな不安がよぎる。しかし彼はそんなミモザの懸念を一笑にふした。
「いじめられて落ち込んでいる子どもを慰めるだけさ」
「なるほど」
それなら、とミモザは頷いた。
2人並んで適当な木陰へと座り、畑を眺めながらサンドイッチを食べる。用意したコップには水筒からいつものミルクティーをそそいでいた。
「俺の父親はどうしようもないろくでなしの呑んだくれマカでな、精霊騎士としては優秀だったようだが酒で問題を起こして軍を首になってからは更に荒れた。母親は娼婦でこっちも酒癖の悪いかんしゃく持ちでね。幼い頃は二人によってたかって殴られたものだよ」
遠い記憶を思い起こすようにゆっくりとレオンハルトは語った。その口調は内容とは裏腹に随分とのんびりとしており欠片も悲壮感はない。
「ああ、同情は不要だ。母親は俺が幼い頃にあっさり死んだし、父親も俺の身体がでかくなって敵わなくなると大人しいものだったよ。それに俺は元から両親のことを好きではなかったし、なんの期待もしていなかった。まぁ可愛げのない子どもだったんだな」
この傷も父親がやったものだ。と右目の火傷跡を見せる。
「幼い頃に、なんだったかな。火鉢の炭だったかなんだったかを押し付けられたんだ」
ああ、火鉢ってわかるか、中に焼いた炭を入れる暖房器具なんだが、とジェスチャーをし始めるのに、「知ってます」とミモザは頷いた。
「見たことはありませんが、知識としては」
「そうか、正直今では廃れて使ってるのなんて魔導石もろくに買えないような貧乏人だけだろう」
「そうなんですか」
ミルクティーに視線を落としながらミ亜鉛 の サプリモザが相槌を打つのに、レオンハルトは苦笑して頭を掻く。
「まぁ、可愛くない子どもは蔑ろにされて当然だ」
誤魔化すように言われた言葉にミモザは顔をしかめた。
「……当然じゃないですよ」
全然当然ではない。
「おかしいです」
「……そうか」
レオンハルトは否定せず、何故かミモザを慰めるように頭を撫でた。慰められるべきはレオンハルトだというのに変な話だ。
「もしまたそのようなことがあれば、今度は僕が守ります」
「すまないが、俺はもう自分自身で身を守れるし君よりもずっと強い」
そう言いつつもレオンハルトの口元は嬉しげに緩んでいる。ミモザはつまらなそうに口を尖らせた。
「アベルの母親のカーラさんと再婚した頃は一番穏やかだった。たった4年しか持たなかったがね。彼女は賢明な女性だった。親父の『病気』が再燃するとすぐさま切り捨てた。……一応俺のこともアベルとともに引き取るつもりだったようだ。しかしそれは親父が拒んだ。別に俺に愛情があったわけじゃない。カーラさんに嫌がらせがしたかったのさ」
そこで彼はミルクティーで口を湿らせた。普段こんなに長く話すことのない人だ。どうやら話しずらいらしい。先ほどからあまり視線が合わない。
「2人で王都へ行ってからの日々は最悪だったよ。しかしまぁ、王都にいたおかげで道が開けたとはアントシアニン言えるだろうか。俺は生まれつきガタイが良くて強かった。しばらくの間は精霊使いとして小銭を稼いで暮らしたよ。王都では需要に事欠かなかったからな。その関連で人に精霊騎士を目指してはどうかと言われてこうなったのさ」
精霊使いというのは騎士の資格は持たないが精霊で戦うことを生業としている人達のことだ。騎士になるには色々と条件があるため、あえて騎士にならずに精霊使いとして働く人も多い。むろん、資格職なぶん、精霊騎士のほうが収入は安定していることが多いのだが。
最初弟とカーラに会いに行ったのは安心させるためだったのだ、と彼は言った。
「彼女は俺のことも実の息子のように可愛がってくれていた。だから俺が無事であるということと、数年とはいえ穏やかに暮らさせてもらったことの恩返しもできたらと思っていたんだ。金は受け取ってはもらえなかったがね」
苦笑する。伏せられた金色の瞳を憧れるように細め「彼女は理想の母親だった」と囁いた。
「弟のことも可愛がるつもりでいたさ。だが俺がくだらない親父の相手をしている間も、貧困に喘いでいる間も、あの弟は彼女のもとでぬくぬくと育っていたのだと思うと可愛がる気になれなくてな。この田舎の村で俺のことを笠にきて自慢するのを見ていると、ますます萎えてしまった。まぁ、あいつは別に悪くないさ。ただ逆の立場だったらと思う事が時々ある。要するに、ただのみっともない嫉妬さ」
「そうですか、なら僕と同じですね」
ミモザの言葉に、やっと彼はミモザのほうを向いた。ミモザは亜鉛の効果それを見つめ返す。
「僕には出来のいい姉がいて、彼女は僕の欲しいものを全部持ってるんです。だから僕はそれが羨ましくて……」
体育座りをしている膝に、こてん、と頭を預けてミモザは無邪気に笑った。
「僕たち、おそろいですね」
「……嫌なお揃いだな」
苦虫を噛み潰したような顔をしてみせて、しかしすぐにレオンハルトは口元に淡い笑みを浮かべた。
「初めて人に話した」
「僕もです」
「内緒だぞ。格好が悪いからな」
「はい」
「君の話も内緒にしておいてあげよう」
「まるで共犯者みたいですね」
「まるでじゃないさ」
ミモザが見つめる先で、彼は金色の目をにやりと歪めて悪いことに唆すような甘い声を出す。
「俺と君は共犯者だよ、間違いなく。だって一緒にアベルのことを陥れただろう」
人差し指を一本立てて見せると、それをミモザの唇へと押し当てた。
「内緒だ」
しー、と吐息を吐き出す彼に、ミモザも同意するようにしー、と息を吐き出した。
2人は身を寄せ合って笑った。
。亜鉛 サプリdha epa dhaゴーヤ チャンプルー亜鉛の効果
「君の服を買マカ
「君の服を買いに行くぞ」
仕事から帰ってすぐにレオンハルトはそアントシアニンの効果うクロム告げた。
喧騒の中、2人は街を歩いていた。レオンハルトは行き先がもう決まっているのかすたすたと迷いなく歩く。
(服かー)
先日だめにしてしまったが、着替えくらいは当然持っている。別にそんなに焦らなくてもdha、と呑気に構えるミモザに「ここだ」とレオンハルトは足を止めた。
「……え?」
明らかにミモザのような人物は門前払いされそうな高級そうな店がそこにはそびえ立っていた。
「いらっしゃいませ、ガードナー様」
「服を用途に合わせて一式揃えてもらいたい」
「かしこまりました。こちらのお部屋へどうぞ」
なんと個室である。通された部屋は普通に広く、そこに次々と服が運び込まれて来る。部dha屋にはソファとテーブルがあり紅茶を出されたが、ミモザはそこに座ることもできず立ったままぽかんとその光景を眺めていた。
「ミモザ、座れ」
「れ、れれれレオン様、これは……」
「服を見に行くと言っただろう」
その不思議そうな表情を見ているとなんだかおかしいのは驚くミモザのような気がしてきてしまう。
(いや、そんなわけない)
ぶんぶんと気を取り直すようにミモザは首を振る。
「レオン様、僕お金ないです」
昨日もらった3万ガルドはあるが、それ以外はほとんど母親に送ってしまっている。
「俺が出すから問題ない」
「も、問題です。出していただく理由が……っ」
言クロムいかけるミモザをレオンハルトは手で制した。
「これは必要経費だ」
「必要経費」
「ああ」
彼は頷くとソファへと深く腰掛け優雅に紅茶を口に運んだ。
「昨日のように服がダメになることなどこれからざらにある。騎士団では制服は当然支給される。うちの屋敷の使用人の制服も同様だ。それと同じで君を管理する立場にある俺が服を支給するのは当然のことだ」
「な、なるほど」
確かに仕事を任されるたびに服をダメにしていてはミモザはそのうち破産してしまう。しかし、
「高そうなお店ですよ」
部屋に並べられた調度品を見て恐ろしくなる。どうせ汚れるなら汚しても罪悪感を抱かない価格帯の品にして欲しいものだ。
「安物だといざという時に足を引っ張られるからな」
「足を引っ張ら亜鉛の効果れる?」
「環境に適応できないとそれだけで体力を消費する。例えばいつも俺が着ている教会騎士団の制服はチソウ鳥の羽でおられた布でできている」
「はぁ」
よくわかっていないミモザにレオンハルトはちらりと目線だけを流す。
「丈夫で軽い。羽に空気を含んでいるから寒い地域では暖かいし、暑い地域では通気性がいいので蒸れない。そして高級品だ」
「なるほどー」
つまり戦うのに快適な服装を用意したいということのようだ。
「ここはチソウ鳥でできた服を取り扱っている。安い店ではまず見ないからな」
「ええと、ありがとうございます」
そわそわと相変わらず店の高級感に落ち着かない気持ちになりつつ、とりあえず事情に納得がいったのでミモザもレオンハルトの隣へと腰を落ち着ける。
「それにしてもチソウ鳥?って初めて聞きました。そんな鳥どこに住んでるんですかね」
「過酷な環境にいることが多い鳥だからな。外敵の少ない環境に適応するために優秀な羽毛に進化したんだろう」
なるほどー、と頷いて紅茶を一口飲むゴーヤ。高級そうな味がする。
「ちなみに名前の由来は過酷な環境に踏み入って餓死しかけた人間がその鳥を見つけて『ごちそうだ!』と叫んだというエピソードだ。焼いて食うと美味い」
「か、可哀想」
まさかの由来だった。
「羽はむしられるわ食べられるわで散々ですね」
「まぁな」
「ガードナー様、準備が整いました」
くだらない話を特に笑いもせず続ける師弟に、店の人間が営業スマイルで声をかけた。
「どれがいい?」と尋ねられた。店員もにこにこと笑って「お嬢様は大変お綺麗ですのできっとどれもお似合いですよ」とお世辞を言ってくる。
「えーと、どれがいいですかね」
人間選択肢が多過ぎると決められなくなるものらしい。というか田舎のおばあちゃんがやっているような服屋にしか行ったことのないミモザにはあまりにもハードルが高すぎた。
「好みはないのか」
「好み……」
随分と久しぶりな気がする質問にミモザは戸惑う。
(可愛いのがいいと言ったら呆れられるだろうか)
もごもごとしているミモザに「こちらなどはどうでしょう?」と店員のお姉さんが助け舟を出してくれた。勧められたのはシックだが所々にワンポイントでレースや花の飾りのついた可愛らしい白いワンピースだ。
dha epa dha これまでそういった女の子らしい服に飢えていたミモザの目はそのワンピースに釘付けになる。
「ええと」
それが欲しい、と口にする前に
「いや、それはダメだな」
とレオンハルトが却下した。ガンッとミモザは頭に重しが乗ったような感覚に陥る。
「だ、だめですか」
思わず声が震える。そんなミモザの様子にレオンハルトは怪訝そうな顔をしつつ「ああ、ダメだ」と断定した。
「スカートだと戦う時に動きずらい。ズボンに合わせられるものがいい」
ミモザの目が点になる。
(そりゃそうだ)
そりゃあ、そうだ。戦うのに都合が良い服を探しに来たのだ。
「えっと」
「そうだな、装飾がどこかに引っかかると困るから装飾のなるべくないものでシルエットの隠れる物にしてくれ」
「シルエットですか?」
首を傾げるミモザにレオンハルトは頷く。
「内側に防具を付けているだろう。それがわからないような物の方がいい」
「確かに」
ミモザも頷く。レオンハルトも同様だが、服の内側にミモザは薄い鎖かたびらのような防具を付けている。一応肩や胸あたりにもプレートのような物を仕込んでいる。それが隠れる服の方が見た目的にいいだろう。
「それに君のその鍛えた体格も隠した方が都合がいいしな」
「え?」
「君の容姿は相手の油断を誘える」
にやり、と悪どい微笑みを浮かべる。しばし惚けた後、その意味を理解してミモザも同クロムの効能調するようににんまりと笑った。
「できるだけ油断を誘えるような子どもっぽい服装にしましょうか」
「そうだな、まぁ年齢相応に可愛らしい服がいい。なるべく争いごととは無縁そうな印象を与えたい」
2人してふふふ、と笑い合う。
「相手を油断させて不意打ちできるような?」
「相手が君をあなどって手を抜くような」
勝負が始まる前から自分に有利な状況を整えるのは大事なことだよ、とレオンハルトは囁いた。
結局服はチソウ鳥の羽毛で編まれた少し丈が長くゆったりとした白いパーカーに黒のショートパンツを合わせたスタイルになった。黒いタイツも今まで同様に履くが、所々に針金のように細い金属を織り込んだ物になっていて強度が増している。
ミモザは新しい服を着てくるりと一回転する。トップスはシンプルなデザインだが裾と袖口に黒い糸で花の刺繍が施されており可愛らしい印象を与えるものだった。ズボンなのは相変わらずだが、いままでのただただシンプルで男の子っぽいだけだった服装とは雲泥の差である。
「よく似合っている」
レオンハルトは頷く。それに「えへへ」と笑ってから照れを誤魔化すようにミモザは「そういえば」と呟いた。
「なんだ?」
「えっと、変な質問なんですが、このパーカーとかっていつからあるんですかね」
そう、実はこの世界、服だけでなくちょくちょく現代にあるような代物を見かけるのである。
レオンハルトは「なぜそんなことを気にするのか」という顔をしつつ「さあ」と首を捻った。
「パーカーでしたら確か今から150年ほど前にできたと言われていたはずで亜鉛の効果すよ」
その時控えていた店員さんが答えをくれた。
「150年前?」
「ええ、当時有名な発明家であられたハナコ様が作り出した物です」
(花子……)
これはおそらく
(異世界チートだ)
「これもそうなのか」
「はい。ハナコ様は機械から食品に至るまでありとあらゆる物を発明致しておりましたから」
「あのー、花子様って……」
共通認識のように会話が進むのに、恐る恐るミモザは尋ねる。それにレオンハルトは意外そうな顔をした。
「知らないのか?」
「えっと、すみません」
「歴史的な偉人だ。彼女により100年近く文明は進んだと言われている」
(でしょうねー)
どうりで生活しやすいはずである。
「フルネームはハナコ・タナカと言う」
「う、嘘っぽい」
『田中花子』はさすがにパーカーの売られている時代には少ない名前だろう。いや、それとも本当に本名だろうか。
「うん?」
「あ、えっと、なんでもないです」
「興味があるなら国立博物館に展示品があったと思うが……」
「あ、大丈夫です。全然、全然」
「そうか?」と怪訝そうにしつつレオンハルトは紙袋を渡してきた。思わず受け取ってからミモザは首を傾げる。
「これは?」
「うん?気に入ったんだろう?」
それだけを言うとレオンハルトはさっさと店外へと向かってしまった。どうやらもう会計は済んでいるらしい。紙袋の中身を見ると、それは最初に店員に勧められた白いワンピースだった。
「レオン様!」
慌ててミモザは追いかける。
「これっ!」
「仕事以外の時に着ればいい」
「えっと」
言葉に詰まる。結局なんと言ったらいいかが分からず、紙袋を抱きしめるとミモザはなんとか「ありがとうございます」と声を捻り出した。
「ええと、マカ と はその……」
けれど他にも何か言うべきことがある気がして、店を出たところで立ち止まる。レオンハルトは怪訝そうに振り返った。
「ミモザ?」
「あ、あのっ!」
「聖騎士様でいらっしゃいますか?」
しかしそれは言葉にならずに終わった。突然現れた声に遮られたからだ。
振り返るとそこには上品そうな身なりをした少し年嵩の女性が立っていた。彼女はブラウンの髪をしっかりとお団子に結い上げて黒い服に身を包んでいる。
まるで喪服のようだ。
「いかにもそうだが、貴方は?」
「私はジェーンと申します」
その名前を知っている気がしてミモザは首を傾げる。しばし考えて、それをどこで『見たのか』を思い出して唖然とした。
「少しお時間をよろしいでしょうか」
彼女は試練の塔被害者遺族の会の話の時に見た、試練の塔を封鎖して欲しいというコラムを書いた張本人であった。
。マカ と は亜鉛 サプリ おすすめdha epaマカ と は
第4の塔は移動マカ サプリ
第4の塔は移動スキルの手に入る塔である。移動の魔法陣をあらかじめ敷いた場所に瞬亜鉛の効果間移動できるという祝福が手に入るのだ。
ステラは今、その第4の塔に1人で訪マカ と はれていた。
今日はアベルは別行動で、この間入りそびれた第3の塔に向かっている。ステラは彼と一緒に行動する気になれず、第3の塔を飛ばして第4の塔に来たのだった。塔の順番は難易度順になっているため数字通りに攻略すdha epaるのが本来なら望ましいが、別に順番通りでなくてはならないという規則は存在しない。人混みを嫌ってめちゃくちゃな順番で攻略する人は稀にだがいないわけではない。まぁ、そういう人間はおおむね自分の実力を過信していることが多いので、塔の中で行方不明になったり遺体として帰ってくることも多かった。
ステラの右手の甲に、まばゆい光と共に三つ目の金クロムの花弁が収まった。ステラにとっては塔の攻略で命を落とすなど想像もつかないことだ。だってほら、こんなにも順調だ。ステラにとっては塔の攻略などなんの困難もない。
(それなのに……)
それ以外がうまくいかなかった。いや、うまくいかなくなった、の方が正しい。思えば最初のつまづきはレオンハルトに弟子入りを断られたところから始まっていたのかも知れない、とステラは思う。
(どうして……)
ステラは視線を落とす。変わったのはステラではない、妹のミモザだ。
ステラ亜鉛 サプリ おすすめは何も変わらない。村にいた時も王都に来てからも。それなのにここ最近は目に見えてステラの周囲の環境は狂い始めていた。
(ミモザのせい……?)
思えばレオンハルトもジーンもアベルも、ミモザが関わった人間がステラに対して冷たくなっている。
ミモザが何かしたのだろうか?
(けど、一体何を……?)
魔導石の件でも今回の薬草の件でも卒業試合でも、ミモザはステラのことを目の敵にしているようだ。嫌がらせとも言えるような行為に走り、そしてそれは功を奏しているように見える。
ジーンに「狂っている」と言われた時、ステラは思わず頭に血が上ってしまった。今にして思えば失礼な言葉ではあるがそこまで逆上するようなことではないようにも思える。しかしあの時、スクロムテラはジーンがまさかそのようなステラを貶めるようなことを言うはずがないと確信していたのだ。
だからこそ、あるはずがないことが起こったからこそ頭に血が上ってしまったのだった。他にも色々と『起きるはずがないこと』が起き始めていた。それら全てを引き起こしているのがミモザだとしたら。
(でもおかしいわ、ミモザのやることにそこまでの影響力なんてないはずなのに……)
「………?」
そこまで考えて、ステラは自分の思考に首を傾げた。
どうしてそう思うのだろう。
起きるはずがない、ミモザにはそんなことができるはずがないと、どうしてそう確信しているのだろう?
ずきり、と頭が痛んで思わず手を当てて立ち止まる。
「大丈夫ですか?」
「……ええ、ごめんなさい、ちょっと立ちくらみがしただけなの」
かけられた声にそう答えて振り返ると、彼は何故か驚愕の表情を浮かべていた。
(何……?)
「み、ミアントシアニンの効果モザ……?」
「え?」
驚くステラに彼は慌てたように両手を振る。
「あー、いやごめん、人違いみたいだ。あんまりにもそっくりなもんだから」
彼は若草色の髪を困ったようにかきあげ、その深い緑色の瞳を細めて笑った。ただでさえそばかすが彼を年齢よりも幼く見せているのに、笑うとさらに子どものように無邪気な印象を受ける。
「俺はマシュー。君の名前を聞いても?」
「わたしはステラよ。えっと、あなたは……」
ステラは首を傾げた。金色の髪がさらりと流れる。
「ミモザのお友達かしら?」
彼はまた驚いたように目を見張ると「友達というほど仲良くはないかな」と首を振った。
「君は?」
「わたしはミモザの双子の姉よ」
「なるほど、通りで」
うんうんと彼は頷く。
「まぁ、中身が似ていないことを祈るよ。俺は優しい人間が好きだからね」
「まぁ」
その言い草にステラはくすりと笑った。
彼は、試練の塔被害者遺族の会のメンバーなのだと言った。
ステラでも聞いたことがある。確か数年前に立てこもり事件を起こした人達だ。
「現行の塔の管理はまだずさんなところがある。死傷者を少しでも減らすためにアントシアニンどんな仕組みがいいかを実際に塔の内部を見て回りながら考えていたんだ」
「素敵だわ」
ステラの相槌にマシューは照れくさそうに頬をかいた。それにステラはにっこりと微笑む。
ステラにとっては久しぶりに感じるような、穏やかな時間が流れていた。
「今はまだ色々と難しいことも多いけど、少しずつでも変えていければと思ってるんだ。教会との折り合いは難しい問題だけど」
「そうね」
確か立てこもり事件は彼ら被害者遺族の会の意見を軽視する教会側への抗議として行われたと聞いている。その後和解の記事が流れたが、結局管理体制の見直しが行われたという話は出ていない。
そこでステラは良いことを思いついて両手を合わせた。
「そうだわ! ねぇ、マシュー。わたしね、聖騎士を目指して頑張っているのよ」
「それはすごいね」
夢物語を語る子どもをあやすようなマシューの言葉にステラは頬を膨らませる。
「もう、本気にしていないわね。これでもわたし、とっても強いのよ。だからね、マシュー」
にこっ、と花が咲くようにステラは笑いかけた。
「わたしが聖騎士になったら、あなたのお願いを聞いてあげられるわ。わたしが塔の管理体制を変えてあげる!」
きっとマシューが喜ぶだろうと思って言った言葉に、しかし彼は
「…………」
顔を両手で覆って悶絶していた。
「……マシューゴーヤ チャンプルー?」
「昔の夢みがちな自分見てるみたいでキッツイな……」
「え?」
「いや、なんでもないよ。えっと、そうだな。気持ちだけはありがたく受け取っとくよ」
へらり、と彼は誤魔化すように笑った。
「……? そう……」
わからないながらもステラは頷くしかない。
しばらく2人で塔の中をぶらぶらと歩き、そろそろ出入り口が近づいてきたところで、「あれ?」とマシューが声をあげた。
「なぁに?」
「あれ、何してるんだろう?」
指差した方向を見ると、そこにはステラ達よりも幼い男の子達が4人ほど立っていた。
「あっ!」
見ているとそのうちの1人が突き飛ばされて尻もちをつく。それを放って残りの3人は塔から出て行ってしまった。
。サプリメント マカアントシアニンの効果サプリメント マカ
落ち込み亜鉛 の サプリ
落ち込みはしたがいつまでも落ち込んでいても仕方がない。ミモクロムザは今日も今日とてゴーヤ塔の攻略に勤しんでいた。
続いてのターゲットである第3の塔は合成技術の祝福がもらえる塔である。
合成とはドロップや採取した材料を組み合わせて薬や道具を作成する技術だ。これにより回復薬や毒薬はもちろん、梯子や網などを作成することができ、梯子を使用しなけれ亜鉛 サプリ おすすめばいけない場所に行くことが可能になったり、捕まえられなかった野良精霊が網を使うことで捕まえられるようになったりするという素晴らしい技術だ。
正直この祝福がなくてもストーリーを進めることは可能だが、有利なアイテムを手に入れたり、やり込み要素を消化するのには重要な技術である。
さて、この第3の塔はまず塔に辿り着く前に一つ関門がある。
それは洞窟である。
ゲームマカ と はでは特に害のある野良精霊などはおらず、蝙蝠型の野良精霊が背景的にぶら下がっているだけの洞窟なのだが、まぁ当然洞窟なので中は暗い。つまり第2の塔で手に入れた暗視スキルが必須なのである。
「ふー……」
ミモザは小さく息を吐いた。
「オーケーオーケー。まだ大丈夫。まだ折れてない」
心の話である。
暗闇の中、ミモザは自分の手を目の前にかざす。銅の暗視スキルにより、自分の手はわずかに暗闇の中浮かび上がって見えた。
それだけであった。
「使えねぇ…」
銅の暗視スキルはなんと、自分の体が暗闇の中でも認識できるというだけのものであっクロムの効能た。それ以外は何も見えない。真っ暗闇である。
「チー」
守護精霊も自身の一部と見なされているのだろう。肩の上でチロが諦めたように首を振る姿が見えた。
「うぶっ」
その時ばさばさと音を立てて何かがミモザの顔面に激突した。手で払いのける前にミモザの顔面を蹴り付けてそれは飛び去っていく。
蝙蝠だ。
「焼き鳥にしてやる……」
ミモザは目を据わらせると蝙蝠を捉えてやろうと両手を構えた。
そのままじわりじわりと前に進む。
「うおっと」
しかしそのまま小石か何かに足を取られて転びかける。なんとか壁に手をついて支えたため転倒はまぬがれたが、壁についた手の下に何かの感触がある。
それはカサカサカサと音を立てて逃げていった。
「虫か……」
これでミモザが虫嫌いだったら悲鳴を上げているとこサプリメント マカろである。
「あああっ!くっそー!」
イライラする。しかし進まないわけには行かない。ここを抜けなければ第3の塔には辿り着けないのだ。
もしくはこの洞窟の開いている岩山を登るという手もあるにはあるが、なんとなくそれはミモザの矜持が許さない。
みんなが、特にステラが普通に通っている道を自分だけが通れないだなんて。
例え第二の塔とは異なりこの洞窟の中が迷路のように枝分かれした複雑な道だとわかってはいても、進まないわけには行かなかった。
数時間後、ミモザはもはや目をつぶって歩いていた。開けても閉じても変わらないからである。
チロをメイスへと変え、それを杖代わりにして前方の地面を突いて確認しながら進む。最初はそろそろ歩きだったが、もはや慣れてほぼほぼ通常の歩行速度と変わらなくなってきていた。
ふと、空気を切って羽ばたく音がした。
「そこだーっ!」
叫んでミモザは手を伸ばす。パシッと軽い音と共にミモザの手はそれを捕まえた。
蝙蝠であるdha epa dha。
「ふっふっふっ」
散々ミモザのことを翻弄してくれた蝙蝠はミモザの手の中でキュイキュイと戸惑った声を上げている。
「はっはっはっはっはーっ!!」
洞窟の中にミモザの高笑いがこだまする。長い時間暗闇の中を彷徨い歩いたミモザには、見えずとも物音などの気配で生物の位置を捉える能力が備わり始めていた。
じゃり、と背後で音が鳴る。ミモザは笑うのをやめてその方角へ向けてメイスを構える。
「………えーと、ミモザさん。何をなさっているんですか?」
右手にメイスを、左手に蝙蝠をたずさえて目を閉じたまま仁王立ちをするミモザに、その姿が祝福によって見えているジーンはそう尋ねた。
ミモザには見えていなかったがその表情はドン引きしている。
「見ての通り、第3の塔を目指して進行中です」
「僕の目には蝙蝠狩りをしているようにしか見えませんが」
「そういう側面もありますね」
堂々とミモザは頷く。
「側面というか、真っ正面から見てそうとしか見えないんですが……、まぁいいや」
ジーンはミモザの奇行を正すのを諦めたようだ。そして改めてミモザの姿をまじまじと見て尋ねた。
「もしかしてなんですけど、第2の塔の攻略に失敗しました?」
dha epa dha「失敗はしていません。ちょっと自分の体以外の全てが見えないだけです」
「なるほど、銅の祝福はそんな感じなんですね。それで、一体どれだけここに居たんです?」
「いま何時ですか?」
「僕が洞窟に入ったのは午後2時ですね」
「朝の6時にきました」
「…………」
「8時間ですね」
にこっとミモザは笑った。ジーンは笑わなかった。
「……結局なんやかんやさらに時間がかかりましたね、もう夕方ですよ」
ジーンの言う通り、洞窟を抜けると空はまだかろうじて青いが西の方はもう茜色に染まりかけている。
「でも見てください、ジーン様。洞窟にこもっていたおかげで僕の気配を察知する能力が開花しました」
そう言ってミモザは右手に5匹、左手に6匹の蝙蝠を握った状態で見せる。
彼らはうぞうぞと動いて解放を訴えて鳴いていた。
「うわっぐっろ!ちょっとやめてくださいよ!そんな汚いものぽいしてください。ぽいっ!!」
邪険に扱われてミモザは少々むっとしたものの、確かに持っていても仕方がないといえば仕方がないので両手を開いた。とたんに蝙蝠たちは一斉に洞窟に向かって飛び去っていく。
「ばいばーい」
「ばいばいじゃないですよ」
ジーンは呆れている。ミモザは肩をすくめると「じゃ、行きましょうか」とジーンのことを促した。
目の前には背の高い塔の姿が見えていた。
。サプリメント マカ亜鉛 サプリ おすすめ亜鉛 サプリ おすすめ亜鉛 の サプリ
「疲れた……」アントシアニンの効果
「疲れた……」
dha epa dha よろよろとミモザはレオンハルト邸の扉を開けた。
なんだか色々と濃い時間亜鉛 サプリ おすすめを過ごしてしまった。
とりあえず顔に塗りたくった染料は泳いでいる間に落ちたが、可能ならお風呂に入ってすっきりしたいところである。
(まずはお風呂、次に何か飲んで、ベッドで寝る)
やりたいことを夢想しながらふらふら歩いていると、亜鉛の効果
「ミモザ」
背後から声がかけられた。
「レオン様」
今は流石に修行する気にはなれないなと思いつつ振り返ると、彼のそばには白い軍服に身を包んだ教会騎士が立っていた。
嫌な予感がする。猛烈に。
そしてそんな予感ほどよく当たるものである。
「ちょうどいいところに帰ってきたな。これから教会に一緒に来てくれ」
「えっと、何があったゴーヤんですか?」
恐る恐るミモザは尋ねる。それにレオンハルトはいかにも不愉快といった表情で答えた。
「ジーン君とマシュー君が失踪した。おそらくは君の姉、ステラ君のもとにいる」
ミモザはあんぐりと口を開けた。
「皆さんお聞き及びかとは思いますが、先だっての精神汚染事件の被害者であるジーン君とマシュー君の二名が失踪しました」
そうオルタンシアは重々しく口を開いた。
場所はいつも通りのオルタンシア教皇の執務室である。もはや恒例かと思われるメンバーがそこには揃っていた。すなわち、ミモザ、レオンハルト、ガマカ と はブリエル、フレイヤである。
「それと同時に、彼らと思しき人物がステラ君と思しき人物と連れ立って歩いている姿が目撃されています。証言では彼らはとても仲睦まじそうな様子だったとのことです」
ダンッと壁を叩く音がした。フレイヤだ。
彼女は悔しげな顔で嘆いた。
「ジーン! あれほど変な物は食べないようにと言ったのに!」
「妙だな」
「ええ、妙な話です」
ガブリエル、オルタンシア両名はそれに冷静に告げる。
「一度目はともかく、二度目です。彼らも馬鹿じゃない。差し出されたものを食べるとは思えません」
「何か別の手法で摂取させられたということですか」
レオンハルトの問いに、
「その可能性が高いでしょう」
オルタンシアは頷いた。
(別の手法……)
ミモザは考える。
(一体どんな?)
アントシアニン あれは経口摂取以外の方法がないと前回の時にオルタンシアから聞いていた。それもそこそこの量を取らなければならない。そのためにバーナードは飴という形で砂糖で味を誤魔化して食べやすくしたのだろうとのことだった。
「何にせよ、このまま放っておくわけにはいきません」
「俺が行きましょう」
その言葉にレオンハルトが前に進み出た。
金色の瞳が、静かにオルタンシアを見つめる。
「確実に捕えるために」
「……そうですねぇ」
「僕にも行かせてください!!」
決まりかけそうな気配に、慌ててミモザは挙手して訴え出た。
姉の関わることで除け者になるなどごめんだ。
(それになにより)
ミモザはレオンハルトのことを心配げに見上げる。
ここで何もせず、万が一のことがあっては悔やむに悔やみきれない。
レオンハルトが戸惑うように彼女を見た。
「ミモザ、しかし……」
「僕にも行かせてください。必ずお役に立って見せまマカす」
じっと確かめるように金色の瞳がミモザを見下ろす。それに負けじとミモザは見返した。
しばらく二人は見つめ合う。それは根比べにも似ていた。
「………いいだろう」
諦めたように先に目を逸らしたのはレオンハルトだった。彼はふぅ、と息をつく。
「レオン様!」
「ただし」
喜びに口元を緩めるミモザにレオンハルトは釘を刺す。
「俺の指示に従ってもらう。君のことだから大丈夫だとは思うが……」
「はい」
レオンハルトの言いたいことを察して、ミモザは静かに頷いた。
「貴方の指示に従います。足は引っ張りません」
「よし」
レオンハルトは弟子の物分かりの良さに満足げに頷くとオルタンシアの方を向いて「我々で対応します」と告げた。
それにオルタンシアが頷く前に、ずいっと割り込む人影がある。フレイヤだ。
彼女は堂々とその豊かな胸を張ると「当然だけど、わたくしも行くわ」と宣言した。
「オルタンシア様」
そして銀色の目を細めてオルタンシアに問いかける。
「洗脳を解く方法は、薬が自然に排出される以外にないのですか?」
「そうですねぇ」
それは重要な質問だった。オルタンシアは難しい表情で記亜鉛 サプリ おすすめ憶を探るように目を瞑る。
「……目には目を、歯には歯を、精神には精神を。強い精神的ショックを与えれば目を覚ます例があったと書物には書いてありましたね」
「わかったわ! 精神的ショックね!」
フレイヤはその情報に鼻息荒く頷く。
(精神的ショックかぁ……)
色々とやりようがありそうだな、とミモザも一つ納得するように頷いた。
。マカ亜鉛アントシアニン
「んーー…」 ゴーヤ
「んーー…」
メモゴーヤ帳を片手に首を傾げるミモザの足元には、おびただしいポリ ペプチド量の野良精霊の遺体が散乱していた。
あれから数刻ほどの時間が経過していた。その間延々と野良精霊を狩り続け、ミモザはある程度チロの扱い方を習得しつつあった。
とはいえそれはゲームの中の『ミモザ』が使っていた技術をなんとかおさらいしゴーヤ チャンプルー終えた、という程度のものでしかないが。
記憶の中で把握した技術を書き出したメモ帳に、実際に行えたものはチェックをつけていく。
達成率は50%といったところだ。
「まぁ、初日だしこんなものか」
メモ帳を閉じ、手とチロについた血を振り払う。ふと思いついてかがむと野良精霊の遺体に手を伸ばした。
その白魚のような細い指先で遺体を容赦なく探ると、ミモザはそこから白い結晶を取り出した。
「お小遣い稼ぎ程度にはなるかな」
それは魔導石で亜鉛 サプリ おすすめある。
ゲームでも野良精霊を倒すとドロップし、売ることでお金稼ぎができるシステムだった。
そう、魔導石の正体は精霊の核である。今市場に出回っている物はこうして野良精霊を狩って手に入れた物や、もしくは墓を建てるという文化すらなかった太古の時代にあちらこちらに埋められたり遺棄されていたのであろう守護精霊の物を発掘した物であった。
「皮肉な話だなぁ」
悪質であると禁じられている守護精霊を切り捨てるという行為。しかしこれにより野良精霊が発生し今は貴重なエネルギー源となっている。生活を便利にするためにあらゆる場所で魔導石が用いられている現在において消費される量はすさまじく、『過去マカの遺産』は確実にいずれ枯渇するだろう。今生きている人の守護精霊も死ねば魔導石として利用されることになるとはいえ、毎日の人が死ぬ量よりも魔導石の消費のほうが上回っている以上それは避けられない現実であった。それでも国と教会が守護精霊の切り捨てを禁じるのはその捨てられた精霊の種類によってどのような生態系の変化、あるいは突然変異が生まれるかが予測できないからだ。しかし野良精霊をエネルギー量確保のために養殖するという考えは宗教的、倫理的観念から現状では難しい。
結局のところ、今いる野良精霊達を絶滅させず、人に危害が加えられない程度の数に抑えながら自然環境の中で保存し適宜必要量を採取するという、いうなれば放し飼いでの養殖のような形で今は落ち着いている。
この森の中は法律上野良精霊を狩って良いエリアである。特例はあるが一般クロムの効能的に一人が一日に狩っても良い野良精霊の数は20匹まで。
ミモザが今狩ったのは16匹。全く問題ない範囲である。
遺体の中からきっちり16個の魔導石を回収し、ミモザは立ち上がった。
日は少しづつ傾き、西の空が赤色に染まり始めている。
さて、暗くなる前に帰ろうとしたところで、
「それは、狂化しているのかい?」
そこで初めてミモザは人に見られていたことに気がついた。
。サプリメント マカ亜鉛 サプリ
夜の帷もクロム
夜の帷も下り、月の光が室内にこぼれ落ちてきていた。貴重な蝋燭をいくつも燃やし室内はdha epa dha煌々と光っている。寝室のベ亜鉛の効果ッドであぐらをかき、酒の入ったグラスを傾けながらレオンハルトは、
超絶不機嫌だった。
(どうしようかなぁ)
すぐに空になったガラスに酒を注ぎながらミモザは無言で困る。こうなった原因については、話亜鉛を昼頃にまでさかのぼる必要があった。
「少しお時間をよろしいでしょうか」
「かまいませんよ。俺になんの用事でしょうか?」
そう声をかけたジェーンという女性に、レオンハルトは周囲をちらりと目線だけで流し見るとすぐに笑顔を作って鷹揚に頷いた。
(猫かぶりモードだ)
随分と久しぶりに見た気がする。周りを見渡すとなるほど、通行人や近くのカフェにいる亜鉛 サプリ人などがこちらを見ていた。ついでにあれは記者だろうか、こちらに隠れているつもりなのかさりげなくメモ帳にペンを走らせている人もいる。レオンハルトは背も高く非常に目立つ人のため、衆目に晒される場所ではあまり素っ気ないこともできないらしい。
「私は試練の塔被害者遺族の会の者です。最近娘を亡くしまして入会致しました。エリザ、いえ、貴方にはわからない話なのでそのあたりは割愛させていただきますね」
「いえ、わかりますよ。3ヶ月前に亡くなられたエリザ嬢のお母様ですね」
レオンハルトのゴーヤ返しに彼女は目を見張った。まさか前日に未発売のはずのコラムを読んで予習をしていたなどとは予想だにしないだろう。
彼女は思わぬ切り返しにしばし逡巡した後「では、どういった用件かはわかっていただけると思いますが」と前置きをして深々と頭を下げた。
「どうか、貴方様から教皇聖下に試練の塔閉鎖についてご進言いただけないでしょうか」
それはかろうじて疑問形を取っているが、明らかな脅しであった。
(まずいなぁ)
この状況が、である。大勢の人前で切々と訴え頭を下げる女性。要求は塔の閉鎖、盾に取られているのはレオンハルトの評判だ。これで突っぱねるような真似をすればレオンハルトが悪者である。この状況を見ると記者らしき男は実は仕込みではないかと勘ぐりたくもサプリメント マカなる。
(レオン様に泥を被らせるわけにはいかない)
幸いなことにミモザは公的な立場を持たない人間、しかも子どもである。ミモザの監督責任を問われることはあるかも知れないが、それでもレオンハルト自身を追求されるよりは遥かにマシだろう。
ミモザは一歩前に出ようとして、ぐっとレオンハルトに押し留められた。思わず彼の顔を見ると余計なことはするなと言わんばかりに睨まれる。
大人しく一歩下がる。それを確認するとレオンハルトはその場に膝まづき、女性の手をうやうやしく取った。
「ご心痛、お察し致します」
「それじゃあ」
要望が通ったのかと顔をあげた女性に、レオンハルトは痛ましげな表情でゆっくりと首を横に振った。
「本当に、なんとお詫び申し上げればいいか。俺が助けに行ければ……、すべてこのレオンハルトの不得の致すところです」
「えっと……」
戸惑う女性の手を一際強くぐっと握りしめ、彼は女性の顔を真摯に見クロムの効能つめた。
「俺はできる限りすべての人を助けたいと思っています。しかしこうして力の及ばないことが未だにある。きっと今後もゼロにはならないのでしょう。しかし必ず!精進を重ね、このような不幸な事故を減らしてみせるとお約束致します!」
その演説に周囲からは「おおっ!」と歓声が上がる。
(うわぁ)
稀代の詐欺師である。目には目を歯に歯を。レオンハルトはあっさりと話題をすり替え、それどころか周囲の民衆を使ってあっという間にその場の空気を変えてしまった。
この空気では「自分のせいで助けることが出来なかった」と自分を責めるレオンハルトに下手に言い募れば、悪役になるのは今度は女性の方だろう。
「ええっと、その、私は……」
このような切り返しは想定していなかったのだろう、女性は言い淀む。それにレオンハルトは何かを察したように頷いてみせた。
何を察したのかはきっと誰にもわからない。
「ジェーン様、どうか俺に挽回のチャンスをください」
「えっと」
戸惑ったジェーンはわずかに身体を揺らした。それを勝手に頷亜鉛の効果いたと受け取って、レオンハルトは「ありがとうございます!」と感極まった声を出し彼女を抱きしめる。
「必ず!貴方のその慈悲に報いてみせます!必ず!」
そこで身を離すと彼女を真っ直ぐに見つめる。
「次は救ってみせます」
その言葉に周囲から拍手と歓声が起こる。レオンハルトの真摯さを讃えるその場所で、ジェーンはその空気に呑まれたように「き、期待しているわ」と口にすると逃れるように足早に立ち去ってしまった。
そして現在に至る。昼間に感動的な大演説を繰り広げた当人は、だらしなく布団の上に酒とつまみを持ち込んでヤケ酒をあおっていた。ちなみにこれは今日が特別行儀が悪いわけではなくいつもの晩酌のスタイルである。平民出身でそれなりに貧困層であったレオンハルトは椅子ではなく地べたに座っているのが落ち着く傾向があるらしい。地べたでなくベッドであるのがきっと彼なりの精一杯の配慮だ。
「昼間は機転の効いた切り返しでしたね」
とりあえず褒めてみた。
「ああいう場合は下手に空気を読まないほうがいいんだ。君も覚えておけ」
「はぁ」
ミモザには覚えていたところで到底実行できそうもない手段だ。そしてレオンハルトの機嫌は悪いままだ。
(どうしようかなぁ)
こういう時はジェイドは当てにならない。基本的には有能で困った時に頼るとなんでも解決してしクロムまう彼だが、使用人という立場ゆえなのかレオンハルトに対してはだいぶ及び腰である。まぁ気持ちはわからなくはない。ミモザも最初の頃はレオンハルトの機嫌が悪いとひたすらに怯えていたものだ。
(こういう時は仕方がない)
うん、と一つ頷くとミモザは……、黙っておくことにした。
こういう際にミモザにできることはあまりない。ひたすら給餌に徹し、レオンハルトが話し出したらその話を傾聴するのみである。
時間はかかるが結局それが一番良い解決策である。
「まったく理解できん」
しばらく無心でお酌をしていると、ぽつりとレオンハルトはそう溢した。
「なぜ試練の塔を閉鎖したがるのか。そんなことをしたところで亡くなった娘は帰ってこない。ましてや彼女の娘は第5の塔に挑むほどの胆力と技量のある人だぞ。そんな女性が試練の塔の閉鎖を喜ぶとはとても思えん。娘の望まぬことを貫こうと努力するなど……、理解に苦しむな」
通常試練の塔は番号が小さいほど容易く、大きくなるにつれて危険度が増す。そしてその1番の境目が第4の塔からだと言われている。
つまりある程度腕に自信のある者しか第4以降の塔には挑まないものなのだ。大抵の人は第3までで止めるため、第4の塔を修めたといえばそれだけで尊敬される。エリザという女性はまさしく第4の塔を修め、第5の塔に挑み帰らぬ人となったのだ。
「僕は少し、……わかる気がします」
レオンハルトの嘆きに、しかしミモザは素直に頷けなかった。
「なに?」
ゴーヤ チャンプルー 彼の眉間に皺がよる。それに苦笑を返してミモザは空になったグラスに再び酒を注いだ。
「これは想像でしかありませんし、ジェーンさんには口が裂けても言えませんが、ちょっとわかる気がします。もしも僕の大切な人が亡くなってしまったら、きっと僕は助けられなかった自分を悔いて、そして今からでも何かできることはないかと模索すると思うんです」
レオンハルトが死んだら。ミモザは思う。このままゲームのストーリー通りに進めば彼は死ぬ。そうなったら、知っていたのに防げなかったとしたら。
「死者にしてやれることなどない」
弾かれたように顔を上げる。見るとレオンハルトは真剣な表情でミモザを見下ろしていた。ミモザは微笑む。
「それでも、貴方が亡くなってしまったら、僕は貴方のために何かできないかときっと必死になってしまう」
レオンハルトが息を飲む。そこでミモザは自分が不謹慎なことを口にしたと気づいて慌てた。
「す、すみません!不吉なことを……」
「いや、いい……」
何かを噛み締めるように、思いを馳せるようにレオンハルトは言う。
「続けろ」
「えーと、つまりですね。きっと亡くなったことが受け入れられないんです。だから貴方のために、何かしようだなんて不毛なことを考える」
ミモザは半ばやけくそで言葉を続けた。彼は黙って聞いている。ミモザは観念した気持ちになって全部吐き出すことにした。
「だって、貴方のためにって頑張っている間は貴方の死と向き合わなくて済みますもん。目を逸らしていられる。だって僕は貴方のために頑張っているから」
でも、と目を伏せる。
「目的を達成しても、残るのは貴方がいないという事実とそれを認められない自分だけです。だからマカ と はきっと彼女も目的を果たしても、あまり報われないんじゃないでしょうか。少なくともやったーとは思わないんじゃないですかね」
「なるほど」
レオンハルトは酒をあおった。先ほどまでよりもそのペースは落ち着いてきている。
「あの、本当に僕の気持ちでしかないので、彼女もそうかどうかはわかりませんよ」
「いや、しかしその理屈ならわからなくもない。ただこれ以上犠牲を出さないため、と言われるよりも納得がいく。参考になる」
それで?と彼は尋ねた。
「どうしたら死を受け入れられる?参考までに聞かせてみろ」
うっ、とミモザはつまる。そこまで具体的に考えてはいなかった。
「えー、えーと、お墓参り、とかですかね……」
「なるほど?」
ミモザのしどろもどろの言葉に、彼は眉をひょいとあげて見せた。
。マカゴーヤマカマカ
テーブル亜鉛 の サプリ
テーブルの上では燭台の橙色の柔らかい灯りと暖色系でまとめられた花が水差しへと生けられ亜鉛 サプリ おすすめて穏やかな晩餐会を彩っていた。
さて、ミモザという少女がレオンハルト邸を訪マカ と はれて数日が過ぎようとしていた。今までほとんど来客がなく一人しか卓を囲むことのなかったテーブルに二人の人物が腰掛けるようになって数日、マーサは今だに不思議な気持ちでその光景を眺めていた。
テーブルを囲って初日、少女は神妙な顔マカ と はをして挙手した。いわく「テーブルマナーがわかりません」。
主は一瞬虚を突かれたような顔をした後、「礼儀作法の教師を雇おう」と告げてその会話を終わらせた。恐縮する少女に「今後弟子として同行してもらうことが増える。その際にマナーがわからないようでは俺が恥をかく」と言い置いて。
二人の間の会話は決して多くない。まぁ、『レオンマカ サプリハルトとの会話量』としては少女はぶっちぎりで多いのだが、一般的なものと比べると少ない方である。しかし二人の間に流れる空気は気安く、とても穏やかなものだった。
これまでは食事などただの作業だと言わんばかりの速度でマナーは守りつつ食事をさっさとかき込んでいた主人が、今は少女のたどたどしいゆっくりとしたペースに合わせて食べている。気にしていない風に特に何を言うでもないが、同時に食べ終わるようにワインや水を頻繁に口に運んでみたりゆっくりと咀嚼したりと無言で工夫を凝らしていdha epaる様子は見ていて微笑ましい。そして少女がどのくらい食べ進んだのかを確認する際に彼女がその視線に気づいてにこりと小さく微笑むと、彼は困ったように苦笑を返すのだった。
ミモザが訪れてまだ数日であるが、これまでただ重苦しく張り詰めていた屋敷の空気が柔らかいものへと変わりつつあった。
(何よりも旦那様の機嫌が良い)
うんうん、とマーサは上機嫌で頷く。機嫌が良いのはいいことだ。それだけで職場の雰囲気が格段に向上する。よしんば機嫌が悪くともミモザと話していれば今までよりも遥かに短い時間で直るのだ。これには感謝の言葉しかない。
「ずっと居てくれればいいですよねぇ」
マーサの内面を代弁するように、一緒に廊下の掃dha除をしていたロジェが言った。燃えるような赤い髪にブラウンの瞳を持つ彼女は古株だらけのこの屋敷に置いて貴重な若者だ。ぴちぴちの20代の彼女は、彼女いわく「ぞっこんなダーリン」がおり、レオンハルトへ秋波を送ることのない貴重な人材であった。
「ひと月しかいないみたいだねぇ」
残念に思いため息を吐く。
「えー、延ばさないんですかねぇ、延長、延長!」
「そんなことできるわけがないだろ。まぁ、また来てくれるのを祈るしかないねぇ」
たしなめつつも「はぁ」とため息が出る。一度良い環境を味わってしまうとこれまでの状態に戻るのが憂鬱でならない。
その時可愛らしい鼻歌が聞こえてきた。鈴を転がしたようなその明るい声は、ここ数日で聴き慣れたものだ。そちらを向くと廊下の曲がり角から予想通りの人物が姿を現すところだった。
「ミモザ様ぁ、おはようございますぅ」
ロジェがぶんぶんと亜鉛 サプリ おすすめ手を振って挨拶する。孤児院育ちの彼女は少々お行儀の悪いところがあった。
その声に少女は両手いっぱいに花を抱えて振り向いた。金糸の髪がさらりと流れ、青い瞳が優しげに微笑む。
「おはようございます。ロジェさん、マーサさん」
その可愛らしい救世主の姿にマーサとロジェはほっこりと微笑んだ。
「毎朝せいが出ますねえ」
手に持つ花束を示して言うと、彼女はああ、と頷いた。
「暇ですからね、わりと」
これも彼女が来てからの変化だ。殺風景で飾り気のなかった屋敷に彼女は庭から摘んだ花を飾って歩く。最初は食卓の一輪挿しからじわじわと始まり、気づけば廊下から執務室までありとあらゆる場所へとそれは入り込んでいた。
屋敷に勤める女性陣には大好評である。これまでそういったことをしたくても出来なかったのだ。主人に直談判する勇気が誰もなかったからである。しかし彼女は違う。ミモザはこれまで誰もなし得なかったことを何かのついでにひょいと「花飾っていいですか?」と聞いてあっさり許可をもらった猛者である。
「ミモザ様はぁ、お花がお好きなんですかぁ?」
ロジェがにアントシアニンの効果こにこと訊ねる。それにミモザは「いやぁ、特にそういうわけでは」と意外な返事を返した。
「そうなんですかぁ?てっきり毎朝飾られているのでお好きなのかとぉ」
「そうですね。これは好き嫌いというよりは……」
真剣な顔で彼女は言った。
「お花を飾ると家の運気が上がるので」
「運気」
「はい。運気です」
曇りなきまなこである。
(まぁ、ちょっとオカルト?が好きな子みたいよねー)
別に害はないのでマーサとしてはどうでもよかった。
「あのぅ、実はお願いがあるのですが」
ミモザはちょっと困ったように言う。屋敷を訪れてすぐの無表情はなりを潜めている。緊張していたのだとは本人の談だが緊張しているのが周囲に見た目で伝わらないのはなかなかに損な性分だなと思う。
「どうしたんだい?」
ミモザはもじもじと恥ずかしがりつつ「今日、レオン様は外出らしくて……」と言った。
「一緒に昼食をとってもいいでしょうか?」
彼女の位置付けは微妙だ。お客様ではないが使用人でもない。主人の弟子として修行をし、家庭教師などから教育を受けているが、使用人としての仕事も少しこなしている。
つまり彼女の「仕事の先輩方と仲良くしたい」という希望は的外れではないが、おかしな話でもある。
「ーで、連れてきたのか」
「まぁ、亜鉛 サプリ おすすめ断る理由がなくてねぇ」
不機嫌そうにジェイドが言うのにマーサは肩をすくめた。
「ふん、まぁいい、わたしは知らん」
ふん、と顔をそらして使用人の控室であり、食事を取るテーブルの一番隅へとジェイドは腰掛ける。手にはもう昼食のプレートを持っていた。
そこにミモザが昼食のプレートを持って現れた。彼女はキョロキョロと室内を見渡すとジェイドのちょうど正面の席へと腰を落ち着けた。
「なんでここに座る!?」
ぎょっとしたようにジェイドが立ち上がる。
「え?」
ミモザは不思議そうだ。
「またやってら」
庭師のティムが呆れたようにそれを見てぼやいた。
そう、何故だかミモザは蛙男ことジェイドに非常に懐いていた。
「席は他にいくらでも空いとろーが!!」
ミモザはきょとんと「そうですね」と頷く。
「なら!何故!ここに座る!」
「すみません、誰かの指定席でしたか」
しぶしぶと立ち上がるのにロジェが「指定席とかないからぁ、大丈夫よぉ」と教えてあげる。その言葉に彼女はきょとん、としてから再び腰を下ろした。
「座るな!」
「でも誰の席でもないと…」
「わたしが嫌なんだ!!」
「何故ですか?」
首をひねるミモザに、ジェイドはびしっと指を突きつけた。
「いいか、わたしはな!顔のいい奴が大っ嫌いなんだ!」
非常に大人げない理由だった。
「ジェイドさん」
ジェイドのその言葉にミモザは珍しく少しむっとした表情にアントシアニンの効果なる。
「な、なんだ」
自分からふっかけておいてジェイドは怯む。その顔をじっと見つめながらミモザは「僕、そういうのはよくないと思います」と唇を尖らせた。
「はぁ?なんだと?」
「人の容姿をどうこう言うのは不謹慎です」
「褒めてるんだろうが!」
「でもジェイドさんはマイナスの意味でそう言っています」
その指摘にジェイドはうっと言葉を詰まらせる。
「褒めてません」
「うっ」
じぃっと恨みがましい目で見られるのに彼はたじろいだ。
「ミモザ様はぁ、なんでジェイドさん好きなのぉ?」
ロジェが助け舟を出す。ミモザの視線はロジェへと移った。
「優しいからです」
「はぁ?優しくした覚えなど!」
しかし返された答えにジェイドは思わずといった様子で声を上げた。再びミモザの視線がジェイドへと戻り、ジェイドは嫌そうに身を引く。
「確かにジェイドさんは大きな声を出します。でも理不尽な暴力を振るったりはしません」
「当たり前だろうが!」
「当たり前ではありません」
そこでミモザは憂鬱そうに目を伏せた。
「嫌そうな態度は取ります、けれど僕の人格を否定するようなことは言いません。面倒だとは言います、しかし要領の悪い僕に何度も根気強く仕事を教えてくれます。あなたは優しい。だから……」
顔を上げる。冬の湖のような静かな瞳がジェイドを見つめた。
「だから僕がつけあがるんです」
「つけあがるな!」
ジェイドはふーふー、と肩で息をする。それを見つめつつ彼女は説明が足りなかったと思ったのか、考え考え言葉をつけたした。
「僕、修行を始めてからマッチョになりました。そのおかげでゴーヤ少し自信がつきました。僕はこれまで、何も言いませんでした。ずっと何も思ったことを言わず、そのくせ周りに期待をしていました。察して欲しいと、自分は何も行動しないくせに」
そこまで言って、「んー」とまた言葉を探す。
「だからこれからは、少しずつ思ったことを言おうと思ってます。僕は、貴方が好きです。人間として、仕事の先輩として、尊敬しています」
「わたしはお前が嫌いだ!」
ジェイドの喚くような返答に、ミモザの表情は変わらなかった。ただ無表情に、ジェイドを見つめている。
それにちっ、とジェイドは舌打ちをした。
「お前、そう言う時は落ち込んだそぶりで涙でも流してみろ。それだけでお前の容姿なら同情が引ける。不器用な奴め」
そう言い捨てるとそのまま席について食事を始めた。
「一緒に食事をしてもいいですか?」
「好きにしろ、お前がどこで食べようとわたしは知らん」
にこ、とミモザは笑った。
「僕ジェイドさんはツンデレだと思うんですけどどうですかね」
「ツンデレが何かは知らんがろくでもないことを言ってるだろうお前!なんでも素直に口にすればいいと思うなよ、小娘!」
えへ、とミモザは花が綻ぶように笑った。
。アントシアニンポリ ペプチドマカ サプリdha epa